「消えた1000円」問題 -数字は人の手によって如何様にも嘘をつくという話-

 

 

Twitter見てたら何やら懐かしい小話が。

 

 

 

 

 

元ネタが定かではありませんが、

 私が知る限り文豪である内田百閒の

 「特別阿房列車」の『消えた1円』の

 話が元ではないかと思います。

 

 

 

特別阿房列車 [〈声を便りに〉オーディオブック] (<CD>)

特別阿房列車 [〈声を便りに〉オーディオブック] ()

 

 

 

 

野暮というものですが

図を使って解説しましょう。

 

 

3人の男は1万円を支払ったので

本来の金の流れは以下の通りです。

 

 

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分かりますね。

 

そしてネコババを経て以下のようになります。

 

 

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ここで全体の収支に着目すれば

 収支はトータル0になっており

 何ら問題ないことが分かります。

 

 

でも初めて問題見た人は

1000円がどこへ消えたかが

気になって仕方がない。

 

 

 

 

問題の肝はただ一つ。

 

 

 

消えた1000円とは何なのか。

 

 

 

これがこの問題の素晴らしい点。

 

 

 

消えた1000円という言い方が

スリードである事。

 

 

この話の語り部の主張を

数式に直すと以下のようになります。

 

9000×3(3人の最終的な出費)

+2000円(ボーイの取り分)

=29000円

 

 

この式には致命的な部分があります。

 

支出と収入が両方プラスとして

扱われています。

 

 

そもそもこの式は

誰の視点でもありません。

 

主人の視点で見るなら

以下の式が完全と言えます。

 

 

9000×3(3人の最終的な出費)

-2000円(ボーイの取り分)

=25000円(主人の取り分)

 

 

文章で整理すると分かりやすいですが、

 

これが口頭での説明だと

途端に難解になります。

 

そして最悪のケースは、

語り部が悪意をもって

この「消えた1000円」を

信じ込ませる人間の場合です。

 

 

人には話者の持つ特徴に引きずられ

内容の信憑性を歪めてしまう

「ハロー効果」というものがあります。

 

 

ハロー効果とは、ある対象を評価するときに、

目立ちやすい特徴に引きずられて

他の特徴についての評価が歪められる現象のこと。

光背効果、後光効果とも呼ぶ。

心理学の世界では、認知バイアスと呼ばれるものの1つである。

 

ハロー効果とは・意味|MBAのグロービス経営大学院

 

分かりやすい例だと、

「大学教授の〇〇さんが言ってたから正しい」

という権威による強化などです。

 

しかし彼らは完璧ではありません。

自分の専攻ですら間違いがないとは

言い切れません。

いわんや他の分野をや。

 

 

 

「モンティ・ホール問題」

をご存知でしょうか。

 

主観確率の例題として有名なのですが、

種が分かれば高等数学レベルの

あの問題ですら、

一時期は数学者の間で

議論されていた事があると聞きます。

(問題の前提条件が不十分だったという理由はあるものの)

 

モンティ・ホール問題の内容は

あえて割愛させていただきますが、

簡単に言えば、確率は見かけ上

容易に捻じ曲げることが

出来ることを表した良問です。

興味のある人はこのリンクから

mathtrain.jp

 

 

 

たとえ人の手が介在しなくても

都合のいい数字を

人は頭の中で作り上げる。

 

 

 

 

ギャンブラーの誤謬も有名でしょう。

 

 

 

 

Q.10回連続表で、次表が出る確率は?

 

 

 

A.1/2

 

business.nikkeibp.co.jp

 

 

ベイズの定理とかもね。

 

 

 

Q.住民1万人の1%が罹患してる病気を

99%の確率で当てられる医師が

その内の1人診察したら、陽性でした。

陽性である確率は?

 

 

 

 

A.50%

 

president.jp

 

学生のころからこうした

数学のトリック、とりわけベイズ確率を

愛してきた私ですが、

その度に数字の魔力を思い知りました。

 

数字に魔力があるという

言い方を平たく言えば

我々があまりにも数字のトリックに

引っ掛かりやすいという事です。

 

そしてその数字のトリックを

偶然か故意かに関わらず

生み出すのは人間の言葉です。

 

何だか心理学の話をしたいんだか

数学の話をしたいんだか

少々とっちらかった感が

すさまじくありますが、

私の言いたいことは、

 

 

ネコババはよくない

 

自分の手で書く!計算!

それこそが正義!

 

 

雑記でした。

 

 

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