いらすとやで簡単に分かる「アキレスと亀」|ゼノンのパラドックス

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うさぎさん、うさぎさん

なあに、かめさん?

かけっこしようよ!

やろうやろう!

やったあ!それじゃあよーいどん!

あっもういっちゃった…でもぼくのあしならすぐにおいつけるぞ

…………

あっうさぎさんが、すごいいきおいでおいついてきたぞ

ふふっ、もうすぐもうおいぬくぞ

残念ながら君は僕を永遠に追い抜くことが出来ない

ゑ?

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アキレスと亀」とは?

アキレスと亀」とは古代ギリシアの自然哲学における有名なパラドックス問題の1つです。
哲学者ゼノンが発端となった論をもとにアリストテレスが著書「自然学」内で論じていることから、これは「ゼノンのパラドックス」の4大問題の1つとしてカウントされています。

小難しい話はこれぐらいにして
内容を説明したいと思います。

「俊足で知られるアキレス(ギリシア神話の英雄)が前方を走る亀に追いつく事は無い」

ちょっと何言ってるか分からない

もう少し具体的な話をします。
イソップ寓話に基づいて冒頭と同じく
アキレスの代わりにうさぎさんを用意しました。

代理だったのか

何故うさぎ(アキレス)は亀に追いつけないのか

①スタート地点

スタート地点|アキレスと亀

うさぎがA地点、亀がB地点にいます。
ここから左方向へお互いが走ります。

②1回目の移動

1回目の移動|アキレスと亀

うさぎが亀の居たBに到達した時、
既に亀はそれより前方にいます。
しかし2匹の距離は確実に縮まっているので、
まもなく追いつきそうです。

③2回目の移動

3回目の移動|アキレスと亀

更に距離は縮まってますが、
当然亀の居たC地点に来た時
亀はそれより前方にいます。

うさぎがD地点に着けば亀はE地点に居て
それが無限に繰り返され…

無限にお互いの距離が縮まるだけで追いつけない?

That’s right.

アキレスと亀の矛盾?

この論の面白いところは
「間違っているけど間違っていない」
点にあります。

間違っている点

一言で切り捨てるなら
「抜けない訳が無い」
ということです。

「普通に」考えればうさぎは亀に追いつきます。
理屈云々以前の問題としてこれは
私たちが経験から知っていることです。
その地点を「X」とし下図のように表します。

追いつく瞬間|アキレスと亀

結局のところ確かにうさぎはX地点までは
無限に距離をつめるだけで
亀には追いつくことが出来ません。
しかし当たり前です。
初めてうさぎが亀を抜くのは地点Xなのですから。

この議論は
「うさぎが亀を追い抜くまでうさぎは亀に追いつけない」
というクソ当たり前な事
言っているに過ぎません。

加えて言うなら
無限に距離を縮めるというのも
間違っています。

うさぎが亀の2倍の速度で走り、
A→Bまでに5秒かかったと仮定とします。
この間、亀はうさぎの半分の距離しか進めません。
となると次にうさぎが走る距離は
半分になるので2.5秒でB→Cに到着出来ます。
次にC→Dは1.25秒。
繰り返して0.625秒、0.3125秒。

これを無限に繰り返すと
数学3の「無限等比級数」の概念から
A→Xまでの時間が10秒であると
説明出来るのですが待ってください。
(※細かな照明は重要でないので省略)

我々は5秒や2.5秒の出来事は
認識できるかもしれませんが
0.6秒、0.3秒、果ては0.000001秒単位の時間を
「それぞれが独立した時間」
として認識できるでしょうか。

無理です。

生身の体はこの前提を満たせないのです。
これでは机上の空論です。

僕達は現実世界に生きてる亀じゃないy

それ以上いけない

間違っていない点

これも一言で言うなら
「文章は何も間違っていない」
ということです。

この議論を見つめるうえで
群馬県立女子大学文学部の教授である
植村恒一郎氏のレジュメであろう
以下のwebページが非常に役立ちました。

アキレスと亀のパラドックス・再論 アキレスと亀のパラドックス・再論
筆者:植村 恒一郎

特にこの一文が刺さりました。

「点」概念の不確定性は、我々の日常言語がそうなっている以上、運動の静止への「すり替え」が可能であることを示したゼノンの議論に、論理的な誤りはない。

例えば我々は
「その時」「その瞬間」
という言葉を使います。
普段問題ではないのですが、
異常に短い時間軸での話となると話は別です。

自分たちは0.0001秒を認識できないのに
言葉では「その時」という言葉で
表現出来てしまうのです。

それはこのアキレスと亀でも同じで
概念上の話であれば正しく、
追いつくまでの時間の間隔を
無限に引き延ばせば
距離もまた無限に伸びてしまうので
「追いつくことはできない」
と定義することは可能です。

なにいってだこいつ

深追いする人のための参考リンク

気軽にはじめた話ですが
これ以上の話は「二分法」とか「連続性」とか
ガチガチの哲学の話になってきます。
これ以上の追及は不毛になりそうなので
参考リンク置いときます。

アキレスと亀のパラドックス・再論 アキレスと亀のパラドックス・再論
筆者:植村 恒一郎

ゼノンのパラドックス – Wikipedia

まとめ

アキレスと亀のポイント

亀に追いつけないというのは考え方の違い。「追いつくまでの時間」を無限に考えるか「一般的な時間軸」で見るかで世界は変わる。

言葉や概念の議論というものは
とかく難しいものです。
現実であり得ないようなことでも
こうした哲学の世界では
平気で存在することがあります。

これこそがアキレスと亀

ひいてはパラドックスの醍醐味であり、
議論そのものを楽しむという事に
つながるのではないでしょうか。

結局追いつかれた…

そりゃそうだよな

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