「√3>3の証明」は良質な脳トレ

数学小話 「√3>3」は良質な脳トレ

いつものように趣味のニコニコ動画巡回をしてた私。

そしたらこんな動画見つけた。

 

投稿者:shelfall氏

 

こういうのめちゃくちゃ大好き~

 

一応コメント非表示で一見したけど、

コメントで解答してる人めちゃ多くて

まとめる必要ないじゃん(´・ω・`)ショボンヌ

そもそも投稿者もその過程を楽しむ目的で出題してるし

まとめるの無粋じゃない?

ってなったけど、メモとして一応書きました。

問題は上記の動画見てね!!!

 

間違っている部分はどこ?

 

CP=5の前提から間違い

 

散々コメントで指摘されてるけど、

最初にこの問題のポイントがあります。

間違っている部分は一応図でまとめてみます。

CP=5?

 

直感的に「点と線分の最短距離」が

「点から線分に対して引いた垂線」

という事は理解してほしい。

(仮に上記の垂線CTが最短距離でない場合、

線分CTと線ABからなる直角三角形の斜辺が

最短になってしまうため)

 

となるとCT>5である事より、

CP=5は(少なくとも平面上では)成り立たないので、

前提から間違ってることになる。

 

ちなみにその後の計算には全く問題無く、

仮にCP=5.4(27/5)と置いた場合は

PQ=3√43/5(>3)となり何ら問題無い。

 

それで反証自体は終わりなんだけど、

この問題の良いところは、

動画で凄くこの点をスムーズに流して、

後半で行われる証明を正しいところに焦点を当てて

何となく動画を見ている人間には

全く問題無いように感じさせている点です。

 

これから学べる教訓は

「前提や自明を扱う事の恐ろしさ」

「(扱う人間によっては)数字は平気で嘘をつく」

「疑ってかかる事の重要性」

だと思います。

 

√2=2にだって出来る

 

ちなみに過去にこんな事書いてる私。

【数学小話】√2=2? 今世紀最大の謎がTwitterで瞬殺されていた件

 

上記の記事では

「限りなく小さい差は無視出来る」

という直感的に「自明」である事を基に

証明を進めていくと√2=2になってしまうという

結構面白い問題です。

 

「x^3=x…よっしゃ!xで割ってx=±1や!」

(文字式はx=0とそれ以外で注意が必要)

「行列ABと行列BAとかどうせ一緒やろ!計算!」

(基本的にAB≠BA、文字式との混同)

こんな思い込みで解答してる生徒を

塾講師時代に大勢見ました。

というか自分も間違った事あったり…。

 

「前提」を信用する事の恐ろしさ

 

それでこれは何が問題かと言うと

「数字」ではなく「言葉」の問題なんですね。

 

だってどの教科書探したって

「限りなく小さいから無視する」なんて書いてません。

「文字式を文字でいきなり割る」

「行列の前後を入れ替える」も同様です。

でも数学をする上で一々証明するのは大変で

そのために「定理」「公式」といった

「前提」が必要な訳です。

 

そして問題文というものも「前提」です。

私たちが学校教育で見る問題文は、

極めて良質な「前提」と言えるでしょう。

だって嘘が入ってないんですから!

(仮に入試の問題文が間違ってた場合には

無条件で正解になる可能性が極めて高いです)

 

そのため「前提が嘘である」事に非常に弱いのです。

学校教育で矯正された思考を取り払って、

あらゆる問題を疑ってかかる。

「√3>3の証明」問題はそうした脳トレに

良い一問だという風に感じました。

 

他にも数学の錯覚に関しては下記のような記事書いてます。

【数学】いらすとやでモンティホール問題のわかりやすい解説をしようとした 「消えた1000円」問題 -数字は人の手によって如何様にも嘘をつくという話-

 

おわりに

 

しかし色々な人がコメントで意見を交わし合い

知識・知恵を即座に視覚的に共有できるのは

ニコニコ動画の良いところですね!

複素数平面まで思考を展開されてるのは、

深読みかもしれませんが結構面白かったです。

 

一方で

「いやCT=5.19だからCP=5も無理ではない」

「余弦定理の使い方間違ってない?」

みたいなコメント見た時は卒倒するかと思いました。

(常日頃2次元平面を曲面的に見てる人ならOK)

 

今後もこうした小話を見つけて行きたいです(*’ω’*)